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メダカの飼育法~初心者の飼い方~

弱い変異個体

突然変異とは

親の持つ特徴は、その子供にも受け継がれます。とても当たり前のことのように感じますが、この仕組みがはるかな昔から、絶えることなく生命が続いてきた原動力となってきたのです。しかし、その伝え役である遺伝子が、親の特徴をコピーして伝える際にエラーを起こすことがあるのです。平均500万分の1の確立とも言われるそのエラーが突然変異と呼ばれる現象なのです。

生き残ることのできない突然変異個体

自然界では、突然変異を起こした個体はなかなか生き残ることができません。メダカのように生まれた場所からほとんど長距離の移動をしない定住型の魚の場合、それぞれの生息地ごとに、その場所で暮らしていくのに有利な遺伝子セットを持っています。こうした遺伝子を偶然持っているものが多く生き残っていき、長い年月をかけて、その場所で生き延びやすい集団が出来上がったのです。たとえば、高知県のあるメダカの産地で、高地ならではの昼夜の激しい温度差に適応したメダカが生きているとします。突然変異で、高温だけに強いもの、低温にはめっぽう強いという特徴のメダカが生まれたとしても、周囲の環境に適応することができずに、集団の中では生き残れないでしょう。また、野生の色をしたメダカの集団に突然オレンジ色のメダカが生まれてきたとしても、外敵から目立ちやすすぎて、大きく成長する前に、外敵に食べられてしまう可能性がとても高くなります。

淘汰される遺伝子

遺伝子の違いが、ある集団の存亡に関わることすらあります。たとえば、火山帯のある地域では、数百年に一度の火山活動の際に、硫酸の混じった強い酸性の水が生息地に流れこんでくることがあります。このときに大半のメダカは死滅して、たまたま丈夫な何匹かが生き残ったとします。何万年かの間に、これを数十回以上も繰り返していくと、その産地には、強い酸性の水にさらされても生き残れるメダカばかりになっていくのです。このように何億という遺伝子のセットの中で、産地の自然環境に適さない遺伝子が淘汰されて、メダカは場所ごとに有る程度決まった遺伝子セットを持つようになっていきます。先に紹介した火山の例のように、自然界では突然変異したものが生き残って子孫を増やすのではなく、何か激しい環境変化が起こった場合に、たまたまそれに適応できる遺伝子を持ったものが生き残り、主な集団の遺伝子の特徴がだんだんと塗り変えられていくケースが多いと考えられるのです。他の場所で生まれたメダカを放流すれば、こうした遺伝子の特徴が乱されることにつながってしまうのです。産地ごとのメダカを守ることの大切さが言われるのはこうした理由もあるのです。


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