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メダカの飼育法~初心者の飼い方~

国内の地域個体群

二つの地域個体群

日本のメダカの学名は、オリジアス・ラティペスと言います。
オリジアス属には現在27種が知られていますが、その多くは東南アジアの熱帯域にのみ分布しており、北回帰線を超えて温帯にまで広く分布する種はこのラティペスと大陸側の近縁種であるラジアス・スネンシス(中国メダカ)のみです。
これは、メダカの仲間は熱帯起源であり、そこからラティペスとシネンシスの共通祖先が唯一温帯域へと地理的分布を拡大してきたことを示しています。

日本国内におけるラティペスの分布北限は下北半島、南限は沖縄本島です。
DNAの研究から、国内のラティペスは青森から京都にかけての日本海側に分布する「北日本系統群」と、岩手以南東日本の太平洋側および西日本の分布する「南日本系統群」の2グループに大別されることが知られており、両者は400から470万年前に分岐したと考えられています(2009年に発表された論文では、両系統群の分岐年代は1800万年前にも遡るという推定もなされています)。

ヒトとチンパンジーの分岐年代が500-600万年前だということを考えると、両グループ間の遺伝的な隔たりの大きさが想像できると思います。
これはまた、大陸から(そおらく朝鮮半島あたりから陸づたいで)日本列島に侵入した集団が地理的に二分され、それぞれが互いに交流することを示唆しています。

二つの系統群の大きな特徴は、低緯度系統群(南)では繁殖や成長期間が長いことから、繁殖を開始するタイミングが早く、繁殖しながら親魚も更に成長していくのに対し、高緯度系統群(北)では、繁殖・成長期が短いことから少しでも早く体を大きくし、親魚が成長しきってから繁殖に専念するという違いがあります。

系統群をしっかり残そう

ラティペスの北日本系統群と南日本系統群は背びれの携帯や体表の色素細胞の密度なども違うことが知られており、両者を別種として記載する論文も2011年に発表されています。

いずれにせよ、このように、日本に分布するメダカというひとつの種ないし種群でも、その実体は、外見にあらわれようとあらわれまいと、遺伝的に多様な個体/個体群の集合体なのです。
これは、メダカに限らずあらゆる野生生物の種の実体でもあります。そしてそこには、種誕生以来の分布域の変化や、その過程での適応進化といった、

個々の生物の悠久の歴史が刻まれています。
真の生物保全とは、その生物の「歴史」とそれを培った「背景」である生息場所とを、両者のリンクを引き裂くことではなく、セットで後世に残すことではないでしょうか。


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